導入患者さんの食事管理

酷暑も過ぎ去り、朝夕の冷え込みに冬の訪れを間近に感じるこの頃です。
木々の色どりに、短い秋を満喫したいものです。
今月は透析導入されて間もない患者さんの食事管理について、です。
透析に入ると、今までの維持、保存期の食事内容とは変わってきます。
透析導入されて、安心や安堵感から食べ過ぎる患者さんもいれば、
保存期からの食療法の移行に戸惑い、たんぱく質摂取が少ない患者さんもいます。
導入後は、エネルギーやたんぱく質の制限が緩やかになります。
次の表で確認しましょう。

エネルギー
(Kcal/kg/day)

タンパク質
(g/kg/day)

食塩
(g/day)
カリウム
(mg/day)

エネルギー
(Kcal/kg/day)
タンパク質
(g/kg/day)
食塩
(g/day)
カリウム
(mg/day)
維持・保存期 25~35 0.6~0.8 6未満 1500以下
透析期 30~35 0.9~1.2 6未満 2000以下

 

kg;身長(m) 2 ×22 として算出した標準体重
保存期と透析期の三大栄養素のエネルギー配分比率は
保存期;炭水化物65%:タンパク質10%:脂質25%
透析期;炭水化物55%:タンパク質20%:脂質25%
となり、透析期に入ると、タンパク質の制限が緩やかになり、エネルギー配分も増やせます。リン含有の少ないたんぱく質食材を選んで、不足のないように摂取しましょう。
タンパク質を多く摂取すると、リン、カリウムの値も高くなるので、リン吸着薬を上手に利用して、リン値を調整しましょう。
食塩は、保存期と同様に、減塩を心掛けてください。

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