梅雨の季節が巡ってきました。
適度な雨の恵みで、お米や植物がすくすく育ちますようにと願います。
さて今回は、高齢者の食事摂取について、実践編です。
高齢患者さんには、身体機能の低下や筋力低下など、気がかりな問題がでてきます。これらを防ぐためには、適切な食事や、日々の生活活動、身体活動などを好循環させることが大切です。
まず、食欲不振の場合は、原因の究明が必要です。原因が究明され治療により改善することが第一です。そして、食べる事へと、つながります。
まず、高エネルギーの食品を摂取しましょう。
高エネルギー飲料類は前回取り上げました(リーナレン、レナウエルなど)
これらを日常の食生活パターンの中にうまく取り入れましょう。状況に合わせて、間食類や、アルコールなども適宜楽しみながら取り入れるのもいいでしょう。嚥下力が低下しているときは、
パサパサするもの 食パンやビスケットなど
パラパラするもの こんにゃくやかまぼこなど
べたべたするもの もち、海藻など
誤飲しやすい液体 水、お茶、ジュース、汁物など
は、気を付けて頂くか、なるだけ控えましょう。
ゼリーやとろみのあるあんかけ調理品などは、飲み込みやすくお勧めです。
主食のご飯は軟食又は粥が食べやすいでしょう。食パンはトーストより、フレンチトーストなどがお勧めです。麺類は長い麺だと飲み込みにくいの
で、気をつけてください。(乾麵なら茹でる前に、折ってから茹でましょう)
副食は、卵料理をとりいれましょう(茶碗蒸し、卵豆腐、温泉卵、プリンなど)、飲み込みやすく、栄養面も期待できます。ひき肉は脂肪が多く、
つなぎにタマネギや卵、豆腐などを加えることで、しっとり食べやすくなります。魚は、煮魚や、マグロの山かけなどもいいでしょう。魚の缶詰も食べ
やすく、マヨネーズなどを添えると美味しくいただけます。豆腐は絹ごしならそのままで、木綿ならあんかけや白和えもお勧めです。
筋力低下を防ぐため、必要エネルギーをしっかり摂って、良質タンパク質食品(肉・魚・卵・大豆)をバランスよく毎食摂ることを心がけましょう。